レター・フロム・ヘル

前彼である上野さんから久しぶりにメールが来た。共通の知人もいるので会う機会が全くないわけじゃないんだけどもう二人では会えないということは伝えていたし、何の用だろ？と思ってメールを開くとそこにはたった一行。

「げ　ん　き　で　す　か　・・・？」

ギャアアアア！スペースがホラー！なんで字間空けてるの？寂しがりの亡霊みたい！なんて返事をしようか、それとも返事をしない方がいいのかと小一時間迷っていたら二通目着信。

タイトルが、「絶対に読め」

えー！温厚な上野さんから初めての命令口調！怖いっていうか、引くわー…。
内容は、人伝に聞いたけど薫子ちゃんが自分と別れた原因は目黒さんだろ？酷い。俺の気持ちがわかるか。薫子ちゃんが幸せならいいとか思えない。もう会うことがあっても声をかけるな、というようなことが延々と書いてあった。

なるほど。うん。まあ、私は酷いですよ。
目黒さんと私は本当のとこは付き合ってるわけじゃないんだけど、実際目黒さんのことを好きになったから上野さんとは別れたわけで、目黒さんと上野さんは知り合いなのにそのことを言わないで別れたんだから不愉快な気持ちになるのもわかる。
しかし上野さんとは５ヶ月も前に別れたのに今更恨みを一方的に書き送って来てどうなるっての。

上野さんと別れない内に目黒さんとセックスしたからそのことなら弁解はしない。
二股をかけないで別れたのが私なりの誠意で、だからって狡かったり弱かったりっていう自分を正当化するつもりはないけどいい年して振られた女に傷ついたアピールする男だったなんて幻滅。
返事はいりませんって書いてあった。自分の気持ちだけ押し付けてスッキリしたいんだね。
別れた相手のことを悪く言うのは好きじゃないけど、格好悪いし情けないしガッカリした。
こんな男と別れて良かったなんて、そんなこと思いたくなかったよ。