続・なんとなく日記

一週間前に同居人と散歩をした時、通りかかったスーパーで衝動的に西瓜を買った。去年は食べられなかったから、一緒に食べよう。真っ赤な半月型の果実。


その日の夜に同居人は飲みに出掛けて、未だ帰って来ない。
飲み歩いてるようだが連絡はない。私も連絡をしない。所在を尋ねられると束縛されているようで息苦しくなるのだそうだ。だからいつ帰って来るかは聞かない。聞いたところで予告通りに帰って来た試しもないからそれでいい。


「一緒に暮らしている恋人」というこの玉座はあたかも昔の食堂に置いてある真ん中に穴の開いたあのビニール張りの丸椅子のように軽くて不安定で些細なことで揺らぐから、私はいつも壊さないように体重を掛け過ぎないように、そっとそっと腰を下ろす。


冷蔵庫を開ける度に西瓜が熟れていくのを見る。熟した西瓜がどこかの時点を境に腐り行く様を眺め私は、夏は始まる前から終わってしまったのかなと思う。


果実は熟しきったら後は腐って落ちるだけだ。だけど土地にその種子を残す。いつかまた実ることを願って。


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