酔ってラリってドラゴンボール(前編)

夏。平日の夜12時頃のこと。友達と飲んで帰宅後、飲み足りなくて一人で焼酎を飲み始めた。途中でつまみを買いにコンビニに行き、またテレビを見ながらメールしたりしつつダラダラ飲んでいた。
この辺まではほろ酔い状態だった。次の日会社だし、ここで寝てればよかったのになぜか覚えてないけど再度コンビニへ行った。 1時か2時か、そんな時間に。
そこからが恐怖の幕開けだったのです……。


コンビニの前で中東か南米か、浅黒い肌の外人さんにナンパされた。流暢な日本語で多分、飲もうとかなんとか。 私はおごってくれるならいいよ、と即答で隣の居酒屋に入ろうとした。いきなりの快諾にむこうの方が驚いていた。別にタイプでも何でもなくタダで酒飲みたかっただけ。
しかし自分から誘ったくせにお金がないと言い出す外国人。
「じゃーそこのコンビニで下ろして来いよ」と命令形で言ってやりました。ありえないでしょ。私じゃなくてそいつが!金ないのにナンパすんな。だったら家でひとりで飲むよ。
あつかましいことに、家に行きたいとしつこく迫られ腕をつかまれ、私が「もう面倒だから帰る!」ともめてたらそこに自転車を押した兄ちゃんが通りかかって「嫌がってるだろ、やめろよ」的なことを言った。
シビィー!もしかして先輩ですか?少女漫画で見たことあるよー!こんな展開。不良に絡まれてる所に都合よく通りかかって助けてくれる先輩。ブッキラボウだけど、本当はやさしいの知ってます……。


で、私はナンパ外国人を尻目に、助けてくれた兄ちゃん改め先輩の家に行った。
WHYなぜに〜? 自分で自分がわからない!なんでそんなことになってんの?とイチイチつっこんでると話が進まない。2分くらいで着いた。めっちゃ近所です。もしや同じ町内会ですか?
片付いた普通の一人暮らしの部屋。何の酒なんだかわからんがグラスに注いでもらった。遠慮なくいただく。 そうしたらですね、いつの間にか先輩、服を脱いでた。


コノヒト先輩、違う……。先輩はそんなヒトじゃない!!
目の前にいる男は、坊主でガタイが良くて30代半ばくらいに見える。
え、あなた誰だっけ……?


焦点の定まらない目でよく見ると、先輩再び改め兄ちゃんの、胸と肩から背中にかけて大きな龍の絵が描いてあった。ワンポイントのTATOOじゃなくて、どうみても本気の刺青。それを見てびびるどころか、カラフルで綺麗!私もドラゴン好き☆と喜ぶズレた私。
はっと気が付くと朝でした。